大井町大字亀久保字西原

発見日:2021年9月26日

発見場所:ふじみ野市大井武蔵野付近

今回発見した旧地名であるが、あやうく旧地名であることに気づかずに通り過ぎてしまうところだった。大字亀久保字西原、字武蔵野ほかは1972年に大字武蔵野となり、大井町上福岡市が合併してふじみ野市になった際に大井武蔵野になった。新しく大字が作られた区域で旧地名を発見したのはこれが初めてではないだろうか。

通常、土地改良や区画整理などに伴って従来の大字・小字が整理される場合、新しい町になるパターンが多い。また、農村部などでは町を設置せずに、大字・小字の区域変更で済ませてしまったり、新しい小字を設置したりする場合もある。

一方、新しい大字が作られるケースはそこまで多くはない。戦後まもない時期に開拓された土地に新しい大字が設置された例や、市町村の境界変更に伴う設置例などはあるが、大字武蔵野はどちらにもあてはまらない。ちなみに大井町では大字武蔵野と同時に大字西鶴ヶ岡も設置している。

現在はふじみ野市大井武蔵野と「大字」表記がなくなっているが、これはふじみ野市成立時に大字表記を止めたためである。平成の大合併でできた市町村によく見られることで、春日部市鴻巣市久喜市熊谷市加須市などでもそうなっている。

武蔵野の前に「大井」が付けられたのは合併相手である上福岡市にも武蔵野があったからである。上福岡市のほうは福岡武蔵野となったが、こちらは大字ではなく町名であり、住居表示も実施されている。なんだかややこしい。

大字亀久保字西原は現存していないが、西原小学校やバス停「西原住宅入口」があり、西原の名前は今でもしっかり残っている。