川口市弥平町


発見日:‎2017年3月16日
発見場所:川口市弥平四丁目付近

弥平町は南平地区の東部、新芝川(芝川放水路)を挟んで東京都足立区と接するところに位置していた町である。1937年(昭和12年)に大字弥兵衛新田などから成立した。現在は住居表示実施により、弥平(一〜四丁目)、東領家などとなっている。開発者の名前が入った新田地名の多くは消滅したり、原型をとどめない形に改名されたりすることが多いが、この場合は弥兵衛新田→弥平町→弥平とほどよく原型をとどめている。

この区域は川沿いで高速道路も近いため、工場が多く存在している。したがって、古い家もあまりなく、旧町名の発見は困難が予想された。比較的住居が多い弥平一丁目では、元郷町や(旧)新井町は見つかったのだが、弥平町は見つからなかった。しかし特に工場が密集している弥平四丁目で、小さな工場の看板に今回の旧町名が書かれているのを発見した。

しかし実は今回発見した旧町名は上から修正が施されており、住居表示後の丁目・番・号が書かれていたのである。弥平町の部分は無事だったので紹介するのに支障はないが、ややチート感は残る。というのも、現住所を弥平町の表記で書いている表札が他にも見つかっているからである。

○○△丁目という住所を○○町△丁目と誤記している表札はたまに見かけるが、特に弥平町は多く見つかっている。バス停「弥平町」や弥平町公園など、弥平町の名前が今も多く残っていることがその一因であろう。

そういうわけで、弥平町と書いてあるだけでは旧町名扱いしたくなかったのだが、他に見つからなかったのと、今回の場合、修正前の地番がうっすらと見えていたりして、かつてはまぎれもなく旧町名が書かれていたことを伺わせるので、こちらで許していただきたい。