川口市芝中田町一丁目


発見日:‎2017年3月3日
発見場所:川口市芝中田一丁目付近

蕨駅の東方から北東、北方、北西の広い範囲にかけて、芝〇〇という名前の町が多数存在する。これらは元は大字芝であった。その中で現在の芝新町と芝中田(しばなかだ)の区域だけは住居表示に先んじて町名地番変更が行われ、1958年(昭和33年)と1960年(昭和35年)にそれぞれ芝新町と芝中田町一・二丁目が成立した。他の川口市の旧町名に比べて、かなり成立が遅い。

その後、1975年(昭和50年)に住居表示が実施され、芝新町はそのまま芝新町に、芝中田町一・二丁目は芝中田一・二丁目となった。大字芝の残りの区域も徐々に現在の町名となっていった(今も一部大字区域が残っている)。

ところで昭和42年発行の国土地理院地形図では、芝中田町一・二丁目ではなく、中田一・二丁目という表記になっている。また、芝新町もなく代わりに臑田(すねだ)と書かれている。臑田はもともと芝村の小字だったので、中田一・二丁目も小字なのだろうか。

これは私の予想だが、中田一・二丁目はこの地域を開発したときに新たに付けられた小字ではないだろうか。かつてはこの辺りは字中田だったようだが、開発に伴って一丁目と二丁目に分けたのではないか。字塚越と字田中が合わさって字塚越田中になるなど、小字名の変更は昭和以降も結構行われていたようである。

その後、町名地番変更によって芝新町、芝中田町一・二丁目となったが、どういうわけか地理院地形図には反映されなかったようだ。ちなみに昭和53年発行の地理院地形図でもまだ反映されておらず、住居表示実施後にようやく反映されている。町名地番変更の知らせが国土地理院に伝わってなかったのだろうか。