春日部市大字粕壁字新宿


発見日:‎2018年8月13日
発見場所:春日部市緑町六丁目付近

字新宿があった場所は、江戸時代は元新宿と呼ばれていた。また、日光街道沿いの宿場には新宿という町があった。粕壁宿が日光街道の宿駅に定められたのちに、郊外から住民が移り住んで新宿ができたそうだ。そして、元々その住民たちが住んでいた場所が元新宿と呼ばれるようになった。

新宿はのちに粕壁宿の字新宿組となった。組というのはいくつかの町が集まってできたものを指すらしい。一方、元新宿は字元新宿となった。これらは両方とも角川日本地名大辞典の小字一覧に載っている。

しかしその後、小字の整理統合により、字新宿組は字街並に統合された。そしてなんと字元新宿が字新宿となった。これにより、新宿という地名は一夜にして、日光街道沿いの町を指すものから郊外の一集落を指すものになってしまった。当時の混乱はいかほどだったろうか。これぞ地名破壊!

幸いにして、元新宿の名は戦後まで通称町名として生き残り、現在も元新宿町内会がある。しかし今回このエリアでは字新宿の住所表記は結構見かけたのだが、通称町名である元新宿の住所表記は見つからなかった。