浦和市大字曲本字丸丁


発見日:‎2017年12月29日
発見場所:さいたま市南区曲本二丁目付近

今回の旧地名は私が発見したものではなく、本ブログの読者である soranami さんから情報提供いただいたものである。この辺りは私も何度か調査したのだが、これは見つけられていなかったので大変ありがたい。私一人ではやはり探索に限界があるので、今後もぜひ読者の皆さんとともに埼玉県の旧地名を発掘していけたらと思う。

さて、今回の旧地名を発見した曲本二丁目であるが、大字曲本から曲本二丁目が成立したのではなく、その間に西浦和四・五丁目が挟まっている。したがって、今回発見した旧地名は二度の住所変更に耐えて生き残った希少なものといえる(厳密にはさいたま市への移行と区制施行を加えて四度)。

小字名の丸丁であるが、地理院地図角川日本地名大辞典の小字一覧には「丸町」と書かれている。丸丁と丸町、どちらが正しいのだろうか。

実は「丁」という字は「町」の略字なので、どちらも正しいのである。ただ一般には、距離や面積の単位として用いる場合にのみ、町を丁と略すことが多いようだ。たとえば、町を区分けするときに使う「丁目」という言葉は、主要道路に面した町を1丁(約109m)の長さで区切ったのが由来と言われている。

丸町の場合、小字一覧では「マルマチ」とルビが振られており、元は農地の境界を表す「町」を意味していたと思われるが、その後「マルチョウ」と読まれるようになり、丸丁と略して書かれるようになったのではないだろうか。