所沢市大字上新井字台


発見日:‎2016年12月25日
発見場所:所沢市上新井三丁目付近

所沢市の中心部から北西に進んだ西所沢駅小手指駅に挟まれた辺りのところに、上新井(一〜五丁目)という地名がある。ここは元は大字上新井であったが、ごく最近の2009年(平成21年)に町名地番変更により現在の地名となった。

所沢市のホームページにこの地域の旧新地番対照表がある。この表には町名地番変更前の地名が小字付きで書かれているのだが、その小字名が「梨子ノ木戸」「甲桃木窪」「乙桃木窪」「丙桃木窪」「兀ケ」など独特なものが多くてわくわくする。

最後のやつは、ギリシャ文字のπ(パイ)ではなく、兀という漢字である。この漢字は地名で用いられるときは「はけ」「はげ」などと読まれ、草木がないさまを意味する。いわゆるはげ山の「はげ」と同じである。したがって、兀ケは「はけ」と読むのが正しそうだ。ちなみに埼玉県では崖線を表わすはけ(岾、𡋽)の付く地名がよくみられるが、それとは関係あるのだろうか。

さて、このような珍奇な地名を一つでも見つけることができればブログのいいネタになると思い、当該地域を探索に行った。しかしお目当てのものは全く見つからず、代わりに見つかったのが今回の地名である。よりによってありがちな「台」!しかも超見づらい!

ちなみに梨子ノ木戸は交差点名としては発見した。また、甲/乙/丙桃木窪についても、桃木窪中央公園、東桃木窪公園として見つかった。しかし、兀ケについては旧新地番対照表を元に当該地域に行っても辺りは畑ばかりで古い家はなかった。

しかしまだあきらめてはいけない。同じ大字上新井には東兀という小字もあるのだ。おそらくこれは上新井一〜五丁目以外の区域にあたると思われるので、次こそは見つかることを祈りたい。