川越市大字砂新田字五ツ又


発見日:‎2016年11月28日
発見場所:川越市砂新田五丁目付近

東武東上線新河岸駅から西に少し行ったところに、砂新田(一〜六丁目、大字)という地名がある。砂新田の新田はもちろん新田開発から来ていて、元は砂新田という名前の村であった。1889年(明治22年)に砂新田を含む7村が合併して高階村が成立し、1955年(昭和30年)に川越市編入される。

一般に○○新田という大字から町が作られる場合、○○△丁目となるパターンが多いが、砂新田の場合はなぜ砂△丁目とはならなかったのだろうか。

それは、大字砂新田とは別に大字砂があるからである。大字砂は新河岸駅の周辺に位置しており、駅前のあたりはそこそこ栄えている。新河岸駅を出てその辺の電柱を見ると、「ここは砂」と書いてあって面食らう。将来的にはこの辺りも町名地番整理(川越市は住居表示を一切行っていない)されて、砂△丁目になるのであろう。

大字砂新田から砂新田一〜四丁目が成立したのは1976年(昭和51年)であるが、砂新田五・六丁目が成立したのはごく最近の2006年(平成18年)である。できれば古くに成立した地域で見つけたかったのだが、なぜか古くに成立した地域には比較的新しい家が多く、新しく成立した地域のほうが古い家が多いのである。さらにいうならば、大字砂新田のままの地域にも古い家が多い。ずっと大字だった地域に住居表示施行や町名地番整理が行われるのは土地改良を伴っていることが多く、単に人が多く住んでいるというだけでは町にはならないのである。

今回の地名を発見した砂新田五丁目の新旧地番対照図が市のホームページに置いてある。これを見ると、字五ツ又のほかに、字五ツ又向というのもあるようだ。砂新田六丁目の分もあるのでこちらも見てみると、字武蔵野元松郷分とかいうすごいのがある。さらに南の大字砂新田の区域には字武蔵野元大仙波分というのもある。これらはおそらく元は松郷村、大仙波村にあったのが砂新田に組み込まれたのであろう。

実は大字砂新田字武蔵野元松郷分の現物も発見している。しかし、大字区域で見つけたので現行地名なのと、肝心の字武蔵野元松郷分の部分がテープで隠されていた(現行地名なのに!)。したがって、このブログで紹介することはできない。ううむ、残念。