富士見町大字鶴馬字柿ノ沢


発見日:‎2017年1月18日
発見場所:富士見市鶴瀬西三丁目付近

これまで市町村名がない表札や、大字名がなく市町村名と小字名しかない表札などを見てきたが、ついに小字名しかない表札まで見つかるとは!昔はこういう表札もよくあったのだろうか。

字柿ノ沢(画像では柿の澤)は大字鶴馬にあった小字である。近くにあった大字鶴馬の表札と地番が近かったので、大字鶴馬で間違いないだろう。一方、市町村名は富士見市か富士見町か富士見村かわからないが、一番ありそうな富士見町としておく。

ここにあるように、鶴馬村には昔から七沢八寺という言葉があり、七沢は上沢・羽沢・関沢・権平沢・柿沢・唐沢・南沢を指していたとのこと。地図を見ると柿沢は鶴瀬駅の東側にあるが、今回字柿ノ沢を発見したのは鶴瀬駅の西側である。地名は鉄道が通る前からあったわけだから、線路で分断されていてもおかしくはないが。ちなみに前に鶴瀬駅の東側で発見した字赤飯塚も新たに鶴瀬西三丁目で発見した。

現町名の鶴瀬西は東武東上線の駅名から取られており、線路をはさんで鶴瀬西・鶴瀬東となっている。鶴瀬西といえば鶴瀬団地が有名だが、これは鶴瀬西二丁目に存在した(現在はUR賃貸住宅などに建て替られている)。なお、鶴瀬西一丁目は存在しない。おそらく駅前を陣取っている大字鶴馬字名志久保(名シ久保とも書かれる)が一丁目になるはずだったのだろうが。

さて、その鶴瀬駅の名前は当時その地が属していた鶴瀬村から取られている。そして鶴瀬村は鶴馬村と勝瀬村が合併してできた村である。現在も鶴馬、勝瀬ともに地名としては現存しており、その合成地名である鶴瀬が村名、駅名を経て鶴瀬西・鶴瀬東の町名となった。ちなみに勝瀬は「かっせ」と読むらしい。ずっと「かつせ」と(心の中で)読んでいたので衝撃だ。そして鶴馬は「つるうま」ではなく「つるま」である。くれぐれもお間違えなきよう。