朝霞町大字膝折字上ノ原


発見日:‎2016‎年11月13日
発見場所:朝霞市幸町二丁目付近

朝霞市の前身は朝霞町であるが、その朝霞町のさらに前身は膝折村といった。この膝折村は、(旧)膝折村・溝沼村・岡村・台村・根岸村が合併してできたものである。

(旧)膝折村のあった場所は、古くから川越街道の宿場町として栄え、膝折宿と呼ばれていた。現在も脇本陣村田屋をはじめ、江戸時代から残る古い建物が多く存在している。江戸の街並みを残す町といえば川越がなんといっても有名だが、膝折も意外と穴場だったりする。

さてその(旧)膝折村も(新)膝折村の大字となり、東上鉄道(現在の東武東上線)の膝折駅ができると、膝折村の中心も北のほうに移っていく。そして、町制施行の際に膝折という名前は縁起が悪いといって朝霞町に改称されると(駅名も同時に改称)、膝折という地名は一気に知名度を失っていく。

現在は大字膝折は住居表示施行により、膝折町(一〜五丁目)、幸町となっている。膝折ではなく膝折町としたところが、膝折住民の複雑な気持ちをよく表している。今回旧地名を見つけたのは、膝折町ではなくその東にある幸町なのだが、この辺は結構坂が多く、幸町という穏やかな地名とは少しギャップがある。元々の膝折宿の中心はこの辺だったというもあり興味深い。

小字名の上ノ原であるが、以前紹介した新座市大字片山字西ノ原と関係があるのだろうか(方角もあっている)。幸町にはバス停「上の原」があるが、膝折町には「下の原入口」があり、そこから北にいった三原には「下の原」がある。一方、古い国土地理院地形図を見ると大字片山にも上ノ原があったらしく、もう何が何だかわからなくなってきた。