大井町大字亀久保字立帰


発見日:‎2016‎年10‎月‎23日
発見場所:ふじみ野市緑ケ丘一丁目付近

大字亀久保は旧大井町の中央部に位置し、かなり広い範囲を占めていた。宅地化に伴って住居表示が実施され、緑ケ丘、鶴ケ舞、東久保、亀久保(一〜四丁目)、大井中央、桜ケ丘、ふじみ野などとなったが、大字亀久保もまだ広い範囲で現存している。

小字名の立帰(たちかえり)であるが、角川日本地名大辞典の小字一覧には、福岡新田のところに載っている。ここで紹介されている福岡村外小字図を見ると、字立帰は福岡新田のほか、古市場村・久下戸村・今泉村など後に川越市になる村の飛び地にも同じ名前が見て取れる。ここからわかることは、小字というのは村を超えて存在しうるということと、字立帰が福岡村の中央部から西部にかけて広範囲にわたっていたということである。

図面では亀久保村の手前までしか書かれていないが、その先の地域も字立帰が続いていたとしてもおかしくはない。したがって、大字亀久保字立帰は福岡新田から続く広大な字立帰のごく一部だったのかもしれない。

ちなみに立帰とはどういう意味であろうか。今は東武東上線が通り栄えているこの地もかつては雑木林が広がっていたという。何もない場所だから早く帰れということだろうか(適当)。