朝霞町大字溝沼字弁財原


発見日:‎2016‎年10‎月‎8日
発見場所:朝霞市三原一丁目付近

東武東上線朝霞台駅の少し南、現在の朝霞市東弁財二丁目と三丁目の間に弁財坂(弁財の坂)という坂がある。坂の途中に置かれた標識には、

中世の頃より、「弁財天」が祭られていたことから、この地が弁財原と呼ばれるようになった。

とある。

一方、小字名としての弁財は、角川日本地名大辞典の小字一覧から、弁財、弁財原、弁財上の三つがあったことがわかる。このうち弁財は昔の国土地理院地形図に地名が載っており、現在の東弁財一〜三丁目あたりにあったことがわかる。ちょうど地名の由来となった弁財坂がある辺りである。

また、弁財原はバス停「弁財原」や弁財原商店会がある三原一・二・五丁目辺りであったと思われる。今回発見した地名もこの地域で見つけたものである。弁財坂からは結構離れているが、かつて弁財原と呼ばれていた地域はかなり広範囲に渡っていたのであろう。

残るは弁財上であるが、朝霞市遺跡分布地図に、弁財上・弁財谷遺跡という記載がある。ここで、弁財谷は弁財原の誤記であると思われる。(別の資料には弁財上・弁財原遺跡とある。)これはだいたい現在の西弁財一・二丁目あたりになるようだ。

そういうわけで、かつて弁財原と呼ばれていた地域が、溝沼村の字弁財・弁財原・弁財上となり、さらに現在は朝霞市西弁財・東弁財としてその名前が残っているということがわかった。