春日部市東町

発見日:2022年4月30日

発見場所:春日部市粕壁東五丁目付近

最近は暑くて全然探索に出られてないのだが、前に見つけたものをほったらかしにしてたので、この機会に紹介したい。

前回紹介したのは蕨市の東町だったが、今回は春日部市の東町である。ただし、蕨市の東町は正式な行政地名だったのに対し、春日部市の東町は通称町名である。

1963年に人文社から発行された埼玉県市街地図集には、各市の地名総覧に行政地名だけでなく通称地名も記載されている。春日部市の(大字)粕壁のところを見ると、上町、仲町、本町、一宮町、東町、大砂、川久保、元新宿、三枚橋、内谷、大池、元町、富士見町、春日町、内出、旭町、陣屋、宮本町、幸町、八木崎、浜川戸の名前が載っている。読みもルビがふられていて、東町は「あずまちょう」と読むようだ。ちなみに蕨市の東町の読みも「あずまちょう」である。

今回発見したものは「粕壁東町」と表記されていたが、これは大字粕壁にある東町という意味だろうか。そういえば、以前「大字粕壁大池」というのも見かけたことがある。この大池も(小字ではなく)通称町名である。

東町の区域はかつては粕壁宿の東端の新々田と呼ばれる区域に含まれていた。東町町会のHPには、

昭和20年代初期旧新々田町会の一部大下(おおしも)町として旧日光街道に沿って町が営まれていましたが、新々田から一宮町町会に進化した時位置が「東」になる為、東町として発足しました。

と説明が書かれている。

粕壁の通称町名は明治以降何度も再編されてきたようだが、上に挙げた通称町名は陣屋以外は現在も町内会として残っている。陣屋も2018年までは残っていたようなので、それまでは丸々残っていたことになる。町内会も古い地名の保存に一役買っているので、ぜひ末永く残していって欲しいものである。