鴻巣市元市町

発見日:2020年5月24日

発見場所:鴻巣市本町八丁目付近

鴻巣市の中心部は1965年(昭和40年)以降に住居表示が実施されるまでは大字鴻巣だった。しかし、埼玉の宿場町にありがちなことだが、主に中山道沿いの区域においては本一町、宮本町、仲町、富永町、石橋町などの通称町名が使われていた。

そして今回見つけたのも通称町名として使われていた元市町である。おなじみの電力プレートであるが、春日部市本町川越市志義町鍛冶町と同様に正式な地名ではなく通称町名が記載されている。

元市町の範囲はおおよそ現在の本町七・八丁目にあたるようだ。大字鴻巣には宿場の中心部を中山道を境に東西に分けた字東側と字西側が存在していた。元市町はこれらに加えて南に隣接する字鞠子の区域も含まれている。

鴻巣市では地域振興の一環なのか、住居表示の街区表示板に地名の変遷が書かれているものが設置されていることがある。本町七・八丁目の街区表示板には、鴻巣宿の門前・大下町が明治時代に元市町となり、大字鴻巣になったあとも慣例使用されたというような説明が書かれている。

ちなみに鴻巣市には住居表示の街区符号に旧町名や旧小字の名前を採用している場所がある。今回の旧町名を発見した本町八丁目には「鞠子」番があり、街区表示板も設置されている。