浦和市大字辻字砂田


発見日:‎2016年12月7日
発見場所:さいたま市南区辻五丁目付近

辻(一〜八丁目)はさいたま市南区の南端、すなわちさいたま市の南端に位置している。その中央付近に位置している辻五丁目で今回の地名を発見した。小字名の砂田は全国的にもよくある地名で、水はけのよい砂地の土地を表わすようだ。

ところで以前、辻の字は本来はしんにょうの点が一つが正しいらしいと書いた。今回見つけた地名の辻の表記も一点しんにょうとなっている。しかし、一点しんにょうの「辻󠄀」は二点しんにょうの「辻」の異体字なので、基本的にはどちらも同じ字である。実際、昔の国土地理院地形図を見ると辻の表記は二点だったり一点だったりばらばらである。昔は異体字の使用はもっと自由だったので、旧与野市の上峰は上峯と書かれたり、戸田市の喜沢は㐂沢と書かれたりした。

現在においてはそういった異体字は人名を除いてほとんど使われなくなっている。しかしながら、辻の地名については相変わらず二点一点がばらばらに使われている。これは少し込み入った事情から来ている。

活字の印刷物に関して言えば、二点の「辻」が正字である。しかし、コンピュータで扱う漢字の標準規格では一点の「辻󠄀」が採用されていた時期があったのである。その後、新しい規格では二点に修正されたのだが、古い規格で作られたフォントを使うと一点の「辻󠄀」が表示されてしまうという問題が今も残っている。つまり、案内板などのデザインをPCで作成するときに使用するフォントによって二点になったり一点になったりするという訳である。

このブログの記事も閲覧する環境によっては、「辻」も「辻󠄀」もどちらも一点あるいはどちらも二点で表示されているかもしれない。そうすると何を言っているのか訳わからないですね。どうもすみません。